「しとやかな獣」オリガト・プラスティコ@紀伊国屋ホール
少し前になりますが、ケラさんと広岡由里子さんの不定期ユニットの最新作。いつも目のつけどころが素敵だなぁというチョイスの作品を上演するんだけど、今回も面白かった!原作は新藤兼人さん脚本の映画。高度経済成長期の「公団住宅」を舞台に、とある「努力せずに金持ちに寄生して生きる金の亡者」の前田家(浅野和之・広岡由里子・近藤公園・すほうれいこ)が、彼らを上回るしたたかな旅館の女将・三谷(緒川たまき)にふりまわされる様(笑)を描きます。
うわー、自分勝手な人たちばかりがこずるい計算をして絡み合うお芝居、大好き(笑)。新藤さんって、こんないや〜な(=面白い)作品を書かれる方だったんですね。こういう狡い心理合戦を描くなら、いまはケラさんがいちばんだと思いました。
浅野さんや広岡さんや緒川さんが、昭和30年代のたたずまいと台詞回しがすごく似合っていた。典型的なダメ人間で、息子と娘がかすめてくるお金で生活している浅野パパが良かったです。ボロが出そうになると、口だけは達者に切り抜けるあたりが楽しい(笑)。しゃあしゃあと1人勝ち組へと突き進む緒川さんもハマリ役でした。不思議な美しさの方ですよね。
仕事仲間の「観劇部」の人たちと偶然いっしょだったんだけど、彼らが全員「すほうれいこエロい!」と興奮してたのがおかしかったです(笑)。作家センセイ(大河内浩)に囲われて、金をせしめて実家に貢いでるホステス嬢の役で、確かにエロかったけど……芝居自体は???だったぞ(笑)。ま、目利きの観劇部をそこまで惑わしたのなら、それはそれで好演だったのかも(笑)。近藤さんは、最近がんがん客演してるけど(そしていい役ばかりだけど)どうも殻が破れない印象。いわゆる「フラに乏しい」かんじ?大人計画の役者さんって揃ってフラの塊みたいな方々ばかりですから、難しいですよね……。今回も、悪ぶった二枚目で、緒川さんにもてあそばれて……って外見的にはピッタリなんですけど……。
オリガト、不定期だけどこのままずっと続いてほしいな!大好き。
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