「狭き門より入れ」TEAM申＠パルコ劇場／「ケモノミチ」ブルドッキングヘッドロック＠中野ザ・ポケット

すいません自分用エントリです。

「狭き門」は、佐々木蔵之介さんのユニット「TEAM申」と、注目の劇団「イキウメ」の前川知大さんのタッグ。市川亀治郎さん・浅野和之さん・手塚とおるさん・有川マコトさん・中尾明慶くん……と、競演陣も豪華です。物語はざっくり言うとパラレルワールドもの。世界が更新され、新しい方の世界には行ける人と行けない人がいる。そして、そのニューワールドへの「門」が、とあるコンビニだった……って書くと言葉足らずですが。いわゆる「芝居映え」する設定と台詞の作り方は、パルコ劇場にぴったりの作品だったと思います。私のようなスレた観客にはツッコミどころが多すぎるが（コンビニの中であんだけ大声で喋りまくってて、周囲の人間が気づかないのはおかしいだろうとか、「新旧の世界」をめぐるルールが、ドラマを盛り上げたいがために無理くりなんじゃないかとか）前川さんは台詞術がとてもお上手な方だなと思います。蔵之助さんとマコトさんの兄弟の場面が最高によかった。マコトさんは、ある理由で蔵之助さんが兄貴であることを覚えてないのだけど、それゆえにすれ違う会話がねー、爆笑なのにグッとくるね。

役者さんは、手塚さんと浅野さんが素敵でした。得体の知れない役をやったら手塚さんにかなうものナシ、だし（笑）。浅野さんはTVドラマだと地味な役が多いんですけど、舞台だとほんとに素敵なのですよ。あの飄々とした味わい、大好き。亀治郎さんも、歌舞伎の方とは思えないくらい台詞がナチュラルでよかったです。中尾くんはやっぱり声が惜しい。そして、蔵之助さんの熱演には素直に感じいりました。熱が入れば入るほど、脚本のもともとの設定への疑問も沸いてきてしまうので、ちょっとそのへんが……だったのですけど。

かなり前の観劇だが「ケモノミチ」には触れておきたい。ナイロンの役者さんでもある喜安浩平さん作・演出の劇団。劇団名やタイトル、東京に巨大海洋生物が襲いかかり、首都が機能停止になる……という壮大な前フリからは想像もつかない、ホームドラマの秀作でした。ケラさんの影響もあるのかな？とある家族と、彼らが営む民宿の客たちのダーク＆ウォームな機微がていねいに描き込まれていて、2時間半の舞台もあっというまでした。音楽も担当している西山宏幸さんがハセガワトモハルに似ててキュンときた（笑）。またひとつ、追っかけたい劇団を見つけました。