漫画の秋

漫画欲が急上昇中。つぎは「テレプシコーラ」「町でうわさの天狗の子」を読む予定です。何かおすすめあったら教えてくださいませ……。本もふくめ昨今印象的だったのをなんとなーく挙げてみます。まずはこの夏、行った街にちなんだもの。




バンギャル ア ゴーゴー(1) (講談社文庫)

バンギャル ア ゴーゴー(1) (講談社文庫)

札幌が舞台の小説です(笑)。バンギャルのギリギリのエネルギーがほとばしる1巻がすばらしく、札幌から帰る車内〜機内〜また車内と読みふけってしまいました。おぉ狸小路ロッテリアって私通ったっけ?とか思いつつ。リアルに体験した人じゃないと書けないエピソード満載。3巻まで主人公えりちゃんの気持ちがすっきりしないといいますか、「バンギャルの次」に行かなければ、という思いに回答が出ないところが残念でもありリアルでもあり。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

こちらは広島です(笑)。戦時の「普通の人々の暮らし」を描いています。毎日は悲劇ではなく、そこには和やかな笑いも小さな嫉妬もたくさんある。「普通」を明るいトーンでていねいに描き続けたからこそ、そこに爆弾が落とされること……が、ずしんと響きます。被爆地の広島ではなく、隣の呉を舞台にしたことも効果的。これはもう、読んでください。

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

海月姫(2) (KC KISS)

海月姫(2) (KC KISS)

東村さんを今頃読むって遅いのかもしれないけど、やっぱおもしろいす。そしてあまぞんを見ると、ごっちゃんを心配する優等生読者のレビューが笑えます。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

デスノコンビ再び、です。こんどはジャンプデビューをめざす高校生たちの話。デスノ現象を笑い飛ばす自虐ネタもあったりして、余裕しゃくしゃくだなあ。そしてジャンプ内幕物×青春バトル物という二重構造がおいしいです。ライバルキャラなのに天然で超キュートな新妻エイジが可愛いー。Lにしろエイジにしろ、天才な変人を描かせるとほんとお上手ですね。

ヘヴン

ヘヴン

イジメの物語、とジャンルを規定する以上にずっしりした物語。肉体こそが私だというテーマ、酔っているかのように饒舌なようで計算されつくした文章と構成、はデビューからずっと一貫している気がします。緊張感がギリギリと持続する中、主人公のお母さんの一言一言がとてもほっとする。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

お話は面白いです。辻村さんの同性女子に対する意地悪さ(?)は角田さんのそれより神経を逆なでする。このひとと友達になりたくない感(笑)。そこまで女は女を値踏みしあいながら生きてないだろうと思うんだけど、どうなんだろ?文章がところどころ硬くて独りよがりなのもなんか逆なでする。文章と視点のせいか、母と娘という普遍的なテーマの割に、物語が「開かれて」ないですね。……私にはそこが面白いんですけど、誉めてないのかな(笑)?