ピカレスク・ホテル@赤坂RED THEATRE/アイドル、かくの如し@本多劇場

ことし最後の観劇を2連続で。どっちもよかったなり。




ピカレスク・ホテルは、ホテルの1室を舞台にした2人芝居を2本立てで。「リボン、ちゃんと結びなさい」は出張先でデリヘル嬢(内田慈)を呼んだら彼女が元教え子だったという高校教師(おかやまはじめ)の話。いやー慈さんのセーラー服コスプレがえ・ろ(笑)!!センセイと教え子〜男と女、のいったりきたりな45分がしみじみとおかしい。ま、予想通り男のほうがダメなんだけども(笑)。何となく結末の予測がつく1本目に対し、「男か、女か」のほうが流れがスリリングでお客さんも前のめりで沸いていた。11年つきあって3度目のプロポーズをする男(長谷川朝晴)と、「今好きでも絶対将来心変わりして別れるから結婚はしない」というネガティブ志向全開の女(江口のりこ)。はたしてプロポーズは成功するのか?最初ただカッコイイフツウの男かと思っていると、実は宇宙人を信じていて今宇宙人が東京に来ている、という話を真顔で始める宇宙雑誌編集者役のハセがハマリ役。淡々と理屈っぽいのに、何故かチャーミングな江口さんも素晴らしくて、なんだかいい恋人同士だなあと素直にキュンとくる。いやーハセの手と髪の毛(あの絶妙の寝癖!)って10年前から変わらず素敵。ああやっぱこのひとはわたしの理想です。髪よし、唇よし、声よし、芝居よし、スタイルよし(ちょっと中年太ったけど)、ケツよし。


アイドル、かくの如しは、岩松了さん作・演出で、とある芸能事務所を経営する夫婦(夏川結衣宮藤官九郎)と、そこに所属するアイドル(上間美緒)マネージャー(津田寛治)たちのアレコレ。岩松さんらしい説明台詞0の舞台(つまり「今何が起きていて、台詞に出てくる人の名前は誰それで、何をやっていて・・」という説明がないので、舞台が相当進まないと設定自体が分からないw)じつによいです、ドSで(笑)。まったく会話がかみあわずそのまま話が飛んで消化不良なところも、人間関係のイジワルな目線も、結局何も変わってないんじゃないかと思えるラストも、M体質の客(←わたし)にはたまりませんw。役者さんがよいひととそうじゃないひと、わりとハッキリしてたなー。俳優クドカン、ほんと好きだし、ほんとさすが上手だなあと思いつつ、今回はダメ男のダメさと色気を思ったほど感じなかった(そういうの上手いひとだと思ってただけに)。夏川さんも気の強さばかりが立っていて、こちらもその奥の可愛さまで感じられず。よかったのは出るたび場を浚っていった伊勢志摩さんと一人で空回りするキャラの津田さん。津田さん恐ろしいオーバーアクトwwなのに全然嫌味にならないところがすごいと思いました。「いい人」はひとりも出てこないので、ダメな方はいっさい受け付けないかと思いますが、わたしは大好きです。(感想をネットでさがすと「笑えないし泣けないし微妙」というものがいくつかあって、まさに微妙。芝居が笑うため泣くためのツール、というだけじゃもったいないよぅ><)