シアターコクーン「陥没」いってきた。

「東京月光魔曲」ってもう7年も前なのか・・orzあっというますぎる。KERAさんの昭和三部作の完結編「陥没」にいってきましたー。相変わらずの休憩ありつつの3時間25分wwなが!!!・・と思われるかもしれませんが、これまったく長くないです。キャスト全員が愛情を持って描かれ、それを責任と愛嬌を持って演じたらこうなるよねっていう納得の3時間25分。同じ小池栄子が出ていたからか?手触りは「グッド・バイ」にも似ている。劇団の作品をつくるときとはちがう、人間への視線の優しさはKERAさんの最近の傾向なのか、それとも・・。今回もほんとうのろくでなしは生瀬さんくらいだったし(笑・・それも天罰の与え方がアレかよというww)


東京オリンピックを前に、ホテル複合施設「オリンピアパーク」に着工した父・光作(山崎一)が交通事故死し、遺志を継いだのは娘の瞳(小池栄子)とその夫・是晴(井上芳雄)。だが女癖の悪い是晴の浮気でふたりは離婚し、瞳は父の友人・大門(生瀬勝久)と再婚する。そして、ついにオープンを迎えようとするホテルの前夜祭として、是晴とその若い再婚相手・結(松岡茉優)の結婚披露パーティが執り行われるが、まぁ当然無事にすむことはなく・・


主演は井上さんだけど、舞台で誰を追ってしまうかといえば完全に小池さん。大柄な華やかさ、口跡のよさ、コメディもシリアスも上手・・ほんとに素敵な舞台女優さんになりましたねえ。井上さんはハンサムなくせに(笑)どうにも存在感の薄い感じで終始煮え切らないキャラ。ただそれが嫌な感じはせず、愛すべき煮え切らなさに見えるのは、井上さんらしいなあと。ラストの長台詞が見せ場なんだけど、そこで急にミュージカル調の台詞回しになってるのがちょっと笑えた。そこふくめなんか愛らしい。とにかく生き生きしまくってる生瀬×山内圭哉氏のくされ縁ナニワコンビww。KERAさんの台詞はどうしゃべったらいいか、のお手本みたいな犬山さん。実直で大声でうるさいのが素敵な山西さん。声だけの峯村リエさん・三宅弘城さんと幽霊・山崎さんのトリオがほのぼの。昭和の天然キュートな女性を演じさせたら水魚の緒川さん・・みなさん素晴らしいのですよ。そして中でも驚きだったのは是晴の弟役・瀬戸康史くんですね。歳や顔に似合わないどっしりした空気とか声とか、舞台向きなひとだとは思ってたけど、こんなにうまい俳優さんだとは・・!!飛び道具的な役ですが、台詞の間も言い方も完璧。愛嬌の出し方も完璧。客席ぜんぶ持っていってたねー。一方、全員がプロとして舞台の上で存在している中、まだふわふわ不安定だったのは松岡さん(その不安定な感じや、他の人とレベルが違う感じが今回の役には合っていたが)。小柄だからどうしても小池さんに押し出しが劣っちゃうし、映像では味方になる震える感じの発声もアマチュアに見える。わたし映像の松岡さん大好きなんで・・今回はちょっと残念。


最後、生瀬さん以外ww全員がペアというかカップルでお辞儀するんだよねー、それがなんかきゅんと来ました。よいひとも、がんばってるひとも、なさけないひとも、天然なひとも、ずるいひとも、全員、あ〜可愛いなあと心から思えた。よいお芝居でした。